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A.I./CognitiveOSINTシーンラーニング

ビジネスチャンスの宝庫!?「OSINT」が見据える未来とは

(文責:笠井)

企業活動を行うために市場分析などのデータの分析が欠かせないことは、ビジネスパーソンであれば誰もが承知の事だろう。しかし、社内に蓄積されたデータだけを分析して満足してはいないだろうか。

ひとつの企業に蓄積されたデータは世の中にあふれる膨大な量のデータの一部に過ぎず、当然社外にはそれよりも多くのデータが眠っている。それがいわゆるビッグデータだが、その使い方次第では宝の山となる。そこには新しいビジネスチャンスが眠っているのだ。

【散在するビッグデータを利用するOSINT】

ビッグデータの活用を考える上で、キーワードとなるのが「OSINT」という言葉だ。
「Open Source Intelligence」の略語で、誰でも入手できる情報を集め、それらを突き合せて分析する情報分析手法である。
データの収集範囲は、インターネットや書籍、電話帳、マスメディア等多岐にわたり、
例えば、ある国のニュースサイト、新聞、SNSの投稿等を収集して分析することによって、その国の動向を把握するといったことが可能になる。

本記事では、警察機関で用いられたOSINTの2つの事例を取り上げて、ビッグデータにおけるさらなる可能性を考える。

【英国:児童ポルノに関する犯罪を抑制】
1つ目の事例は、英国における児童ポルノ犯罪対策である。
内閣府が出した、「児童ポルノの取締りの現状と国際協力について」によると、日本国内では、2002年には189件だった児童ポルノ事件の検挙件数が、2011年には1455件と増大している。

そもそも児童ポルノは、お互いの同意の上に成り立つ成人ポルノと違い、抵抗することの出来ない児童の写真を無理やり撮影する場合が多いことから、児童虐待の側面がある。
さらにその写真が一度インターネット上で拡散されてしまうと、全ての写真を削除することは事実上不可能となってしまうため、「児童ポルノは児童の性的虐待の恒久的な記録」と考えられ、大変問題視されている。

英国では、その児童ポルノ犯罪への対抗策として、OSINTを含むビッグデータ分析が利用された。
http://www.v3.co.uk/v3-uk/news/2355861/nca-and-bae-systems-team-up-for-online-child-porn-cyber-operation

英国版FBIともいわれる、NCA(National Crime Agency)は、同国のテクノロジー企業であるBAE Systems社らと手を組み、児童ポルノ犯罪を捜査するオペレーションを構築した。

この取り組みは瞬く間に成果を上げ、開始早々660人もの容疑者を逮捕することに成功したという。
BAE Systems社は今回の取り組みで、対象の犯罪に関連するサイトやSNSにあるインターネット上の情報を収集し、自社のシステムによって分析することで、犯人像を浮かびあがらせることに成功している。

BAE Systems社のMartin Sutherland氏によると、このように分析した情報を、各捜査員に連携することによって、より早く危険が及びそうな被害者を保護し、より早く犯人を逮捕することができるようになったという。

【米国:暴動予測】

2つ目の事例は、米国の暴動予測だ。
米国のシカゴ警察は、ビッグデータを分析し利用することによって、大規模デモの発生を抑制し、迅速に対応する仕組みを構築した。

2012年5月20日、アフガニスタンに駐在するNATO軍撤退に関しての協議をテーマとした、NATOサミットが米国シカゴで開催された。大規模な反戦デモが予定されており、デモ隊が暴徒化し、市民の安全が脅かされるのではないかという懸念があった。

その事態を避けるため、シカゴ警察が目を付けたのがTwitterを用いたビッグデータ分析の手法である。

Twitter上で“不満”や“不安”に関するツイートがされた場所を分析し、そのデータを各警察官が持つスマートフォンへ連携する。スマートフォンの地図上では、対象のツイートがされた場所を赤く表示される。これが暴動の発生が予想される場所である。
警察官はその場所に素早く移動して、暴動を未然に防ぐことができる。

こうした取り組みによって、大規模な暴動が予想されたにもかかわらず、わずか数人の逮捕者を出すのみで事態は収束した。

【まとめ】

以上の2つの事例を見ると、どちらもOSINTを活用することでそれまでになかった新たな手法を生み出し、問題を解決していることがわかる。
散在したビッグデータは、このような、警察の捜査だけでなく、ビジネスを加速させる可能性がある。

特に近年広く普及している、口コミサイトやSNSには、膨大なデータが蓄積されている。
例えばTwitterであるが、Twitter利用者向けの情報サイト「ついっぷるトレンド」を運営する、株式会社BIGLOBEの調べによると、2014年12月の総ツイート数は22億を超えるという。(国内のみ)http://www.biglobe.co.jp/pressroom/release/2013/05/130513-a
こういったビッグデータを利用しない手はない。

ビジネスの場合、 こういったデータが蓄積される場所から、データを上手く収集・分析することができれば、消費者のインサイトをつかむサービスや、商品を生むことができるであろう。

もちろんそのためには、
1.効率よく収集すること
2.分析、利用する仕組みを作ること
が必要になる。

これからは、社内で蓄積した独自データに加え、社外に散在するデータを上手く利用できる会社が新しいビジネスチャンスを見つけ 大きく成長することになるだろう。
さあ、社内のデータだけではなく、無尽蔵に溢れる社外のデータ を利用することを考えてみてはいかがだろうか。